今、やる気にあふれている
ちょうど9年前に結婚し、子どもを3人産みました。下の子が夏に3歳になります。
産休・育休の間は仕事を休んでいました。休みの間もスキルアップしたいと思いつつ、毎日育児に追われ、年齢とともに産後の体力回復スピードも落ち、あっという間に過ぎてしまいました。復帰してからも日々の仕事をこなすのが精いっぱいで新しいことを学ぶ時間も気力もない…
ですが、下の子が2歳になった頃から、やる気にあふれているのです。考えられる要因は…
- 妊娠・出産・産後で、9年ぐらいいつもどこかが不調だったけど、ようやく産後の体力が戻った
- ブログを始めた
でしょうか。
特にブログを始めたのが大きかったかもしれません。初めは書くネタを探すために本を読み始め、学習意欲が刺激され、日々の仕事にも良い影響がありました。
そんなやる気にあふれた今、「学びたい!」と思っている頭の中を整理してみました。
学びたいこと
自分が子育て中に精神的にもきつかったことや、重症心身障害児(者)施設に勤めていて利用者の方にOTとして何ができるのか、と考えていたことから「病気や障害があってもなくても関係なくみんなが幸せな人生を送るために、OTは何かできるんじゃないか」と漠然と思っていました。
そんな時に「作業科学」というものを知りました。OTだけではなく、社会学や文化人類学、心理学など様々な分野と連携し、「作業とは何か?」を考える学問です。
作業療法の定義では、
作業療法の対象となる人々とは、身体、精神、発達、高齢期の障害や、環境への不適応により、日々の作業に困難が生じている、またはそれが予測される人や集団を指す。
一般社団法人 日本作業療法士協会
と「病気や障害があってもなくても、何かに困っている・困りそうな人」が対象とされてはいます。でも、例えば数年前の私のように子育てで悩んでいる人に、OTとして介入するにはどうすればよいのか…
子どもが何かの理由でOTの対象だったとしたら、親や周囲の人のサポートにもかかわるのかもしれません。でも、実家が遠くて、夫が非協力的で、子どもはおんぶじゃないと寝なくて、3歳まで3時間おきに起きて寝不足で、1日を無事に終わらせるだけで精いっぱいで自分のことなんか考える暇がない…という人にはどうすればよいのか…
「やらなくてはいけないこと」で1日が終わる、1か月が終わる、1年が終わる、って、本当に苦痛です。
いろんな子育てを経験した後で仕事に復帰し、私が勤める重症心身障害児(者)施設の利用者さんの1日を見たとき「自分がやりたいこと」ができている人は本当に少なくて、「やらなくてはいけないこと」や「何もしていない」時間がとても多いと感じました。
自分で「これをしたい」と決めて自分でできる人は、自由にできているからいいんですが、したいことがあるのに誰かの手伝いがないとできない人、そもそも何がしたいのかわからない人もたくさんいます。
病気や障害があってもなくても関係なく、みんなが幸せな人生を送るお手伝いをするために、作業科学について、作業とは何かをもっと学びたいと思っています。
カナダ作業モデルや人間作業モデルは、学生時代に簡単に説明を聞いたぐらいで、臨床に出てから実際に使うことはありませんでした。就職した時PTがおらず、他の先輩OTも身体的なアプローチが多かったこともありますが、1番の理由は十分理解できていなかったからだと思います。
徐々にPTも増え、仕事をしながら「OTってなんだろう?」と思うことも増えました。そんな中で作業科学に興味を持ち、カナダ作業モデルや人間作業モデルにも興味が広がっていきました。本を読んで学んでいますが、なかなか頭に入ってこなくて大変… 老化か…?
重症心身障害児(者)施設で作業療法を提供するとき、1番大変なのは「相手のやりたいこと・興味があることを知る」ことだと思います。
まだ十分理解できているとは言えませんが、人間作業モデルを使えば私がやりたい作業療法ができるような気がしています。本を読みながら、実践しながら、学んでいこうと思います。そして、2021年度はどこかで事例報告をする!
2020年度から、私の勤める施設でも診療参加型実習に取り組み始めました。
4月から担当病棟が変わり、7月に実習受け入れ予定です。
実習指導をするときの私の目標は「実習生に『OTって楽しい!』『重心って楽しい!』『もっと学びたい!』と感じてもらうこと」です。楽しいと思ってもらうには、楽しさの理由を分析して相手に合わせた方法で伝えていくことが大事だし、自分が楽しむことが1番大事!
7月には時短勤務が終わってフルタイムに戻る予定なので、私自身てんてこまいしてるかも。でも、それまでに少しずつでも学んで、楽しい実習にしたいです。
まとめ:やりたいことをあきらめない
やりたいこと、学びたいことがいっぱいあります。「今、仕事が楽しい」という人の気持ちがよくわかる。
いろいろ制限されることが多いけど、今の自分にできること、やりたいこと、やるべきこと、やれることは何でもやりたい! 仕事に限らずね。
来年の3月に結果を振り返ってみたいと思います。
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