評価って難しい…
私は重症心身障害児(者)施設に勤めています。
一般的に使用されている評価を使うのは難しいことも多いです。
例えば
- 生まれつき重度な障害(知的にも身体的にも)があり、本人からの情報収集は難しいことが多い
- 本人の興味があることや好きなことがわかりにくいことがある
- 将来的に退院・自宅復帰・社会復帰…にはならないことが多い
- 本人・家族の希望が「これからも施設で楽しく過ごしてほしい」ということが多い
など…
支援目標も「笑顔で過ごす」「穏やかに過ごす」「QOLの維持」という全員に共通するようなことが多いです。
介入前後の評価を行ってきちんと効果判定をしたいと思い、いろいろな評価を試してみました。
- 生命維持機能評価法
- 粗大運動能力評価法
- 基本的ADL評価法
- 変形・拘縮評価法
- 社会参加力評価法
の5分野の評価で構成されています。
0~18ヶ月までの発達段階の姿勢・移動・操作についての操作ができます。(今は、改訂されてMEPA-ⅡRになっています。)評価結果に基づいて
その他、視機能や手指機能など、発達検査を中心に評価・介入を繰り返していました。
でも、何だかモヤモヤし始めました。
私、作業療法士なのに「作業」の評価をしてないな…
利用者様が何に興味があるのか、どうにか知る方法はないのかな?
大きな機能改善は期待できないけど、もっと充実した毎日を送るようにOTは介入できるのでは?
何かないのか…?
人間作業モデルとの出会い
私が人間作業モデルを知ったのは学生時代。
いろいろな作業療法理論の1つとして、人間作業モデルについて学びました。
実際に患者さんと接した経験もなかったので、その時は特に何かを思うこともありませんでした。
しかし、モヤモヤに突き動かされて理論や評価について勉強しなおし、人間作業モデルにたどりつきました。
人間作業モデルを使えるんじゃない?
一通り本を読み概念を理解したところで、評価を使ってみながら理解を深めていきたいと考えました。
さて、どの評価を使おうか。
作業療法士が低機能状態のクライアントの意志に対する洞察を容易に得られる方法がある。意志質問紙(VQ)と小児版意志質問紙(PVQ)、人間作業モデルスクリーニングツール(MOHOST)、短縮版小児作業プロフィール(SCOPE)、そして、MOHO-ExpLORは、そのようなクライアントにうまく使えるものである。
キールホフナーの人間作業モデル -理論と応用ー【改訂第5版】
評価ごとの対象年齢、データ収集法(観察・自己評価・面接)なども考慮しながら
- 短縮版小児作業プロフィール(SCOPE)
- 人間作業モデル探索レベル成果評定法(MOHO-ExpLOR)
が使えるのではないかと思いました。
「低機能状態」というのがどのような状態を指すのか具体的には明記されていなかったので、見当はずれかもしれませんが、とりあえずこの2つについて学んでみることにします。
2021.4.28 追記しました。上記のSCOPE・MOHO-ExpLORを含め4種類の評価を使った感想です。>>>【人間作業モデルの評価】重症心身障害児(者)施設ではどの評価を使う?-4種類を使った感想-
2022.1.12 追記しました。PVQ/VQ、COSAなど、よく使っている評価についてまとめました。>>>【人間作業モデル】重症心身障害児(者)施設ではどの評価を使う? Part2 ー学び始めて半年経過ー
まとめ
人間作業モデルについて、評価についてはこれから学んでいきます。
そして頭の整理を兼ねて、ブログでまとめていこうと思います。
評価を実際に使ってみての感想や人間作業モデルのその他の評価についても、今後まとめていきます!
【臨床実習指導】2024年度の実習前にやりたいこと
【人間作業モデル】MOHOSTとMOHO-ExpLOR どう使い分ける? -重症心身障害児(者)施設での活用-
【MOHO-ExpLOR】「妥当化」の評定内容を考える
【MOHO-ExpLOR】「所属する」の評定内容を考える
【MOHO-ExpLOR】「複雑なニーズ」について考える【人間作業モデル】
【人間作業モデル】「認知症高齢者の絵カード評価法」は重症心身障害児(者)施設でも活用できそう
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