【人間作業モデル】OSAとCOSA どう使い分ける?

OSAとCOSA使い分け

OSA(作業に関する自己評価)とは?

OSAの概要

OSAは対象者が「自分が重要と考えている作業は何か?(価値)」や「どの程度作業ができると考えているか?(有能性)」について、対象者自身に評価してもらう評価法です。自分が重要だと思う作業が十分できていると感じていれば満足につながります。反対に重要なことがうまくできないと感じていれば、そこには作業療法士が介入する余地があるのかもしれません。

OSAは以下の事柄を達成するために開発された。

1.自分の作業有能性に関するクライアントの認識をとらえるため。

2.機能状態の領域の価値に関するクライエントの認識をとらえるため。

3.クライアントが変化を求める優先順位を明らかにすることを促進し、作業療法の目標と戦略を確立することに参加するため。

4.クライアントの視点と優先順位に関する情報を作業療法士にもたらすため。

5.クライアントの適応に関する作業療法士の見解をクライアントに知らせ、相互のコミュニケーションと協業の枠組みを確立するため。

6.クライアントと作業療法士の間のラポートを育み、パートナーという感覚を促進するため。

7.クライアントの改善とプログラムの有効性を評価するために用いることができる、クライアントの作業有能性と作業に対する価値の測定をもたらすため。

8.作業適応に対するクライアントの満足感をもたらすため。

作業に関する自己評価 使用者用手引 2006年改訂第2.2版 短縮版付

OSAの対象者

OSAの使用が適切
  • 比較的高い機能レベルにある
  • ある程度の洞察ができる
  • 自制や計画を立てるために適切な認知技能を持つ
  • 自分を現実的に評価する能力を持つ
  • 基本的な読みの技能を持つ
  • 自分の作業療法目標を設定し達成するうえで、協業することを希望している
OSAの使用が難しい
  • 注意を向けることが難しい
  • 重大な認知的欠陥を持つ
  • 文章を読んだり理解したりすることが困難である
  • 自分の病に対する洞察ができない
  • 自分の入院あるいは病によって打ちのめされている

COSA(小児版・作業に関する自己評価)とは?

COSAの概要

COSAもOSAと同様に、 「自分が重要と考えている作業は何か?(価値)」や「どの程度作業ができると考えているか?(有能性)」について、対象者自身に評価してもらう評価法です。 子どもを対象にしているので、OSAに比べると幅広い方に実施できるよう配慮してあります。

COSAの対象者

COSAの使用が適切
  • 8歳から13歳
  • 自己内省と計画のための適切な認知能力を持つ
  • 治療目標の発展について協業を望んでいる
COSAの使用が難しい
  • 参加することが極めて困難である
  • 重度な認知の限界を持つ
  • 自分の利点と弱点を洞察することが欠けている

OSAとCOSA どう使い分ける?

OSAとCOSAの違い ①評価項目の違い

どちらにもセルフケア活動、他人との交流、興味があることへの参加、などが含まれます。

OSAには金銭管理、自分の家の手入れ、仕事をすること、等の項目が含まれます。COSAには学校生活に関すること(授業、宿題、友達など)が含まれます。

重症心身障害児(者)施設で使用すると考えた時、OSA・COSAに共通していないこれらの項目は該当しないことが多いです。

評価項目の違いは、OSA・COSAのどちらを使うかの決め手には弱い!

OSAとCOSAの違い ②評価尺度の違い

どちらも有能性と価値(重要性)について評価をします

OSACOSA
有能性・これをするにはたくさんの問題がある
・これをするにはやや問題がある
・これは良くやっている
・これは非常に良くやっている
・これをするのはすごくむずかしい
・これをするのは少しむずかしい
・これはできる
・これはすごく良くできる
価値(重要性)・これは私には全く大事ではありません
・これは私にはそれ程大事ではありません
・これは私には大事です
・これは私には非常に大事です
これは大切ではない
これは大切だ
これはとても大切だ
これは一番大切だ

どれも4段階で評価します。どの項目もプラス・マイナスが2段階ずつですが、COSAの価値(重要性)は大切を3段階に分けています。

この理由はマニュアル等には書かれていませんが、項目の優先順位の決め方(後述)が関係しているのかなと思います。

ある研究は、ほとんどの子どもたちが4点法の評定尺度を適切に使うことができるが、やや年少であるとか知的障害がある子どもたちは、この評定尺度を使うことに困難を示すかもしれないことを示唆している。

キールホフナーの人間作業モデル-理論と応用-【改訂第5版】

COSAを使用したところ、質問の内容の理解はできていても、4段階で回答するのは難しいという対象者が多くいました。本来の使用方法とは異なりますが、2段階での評価(できる/難しい、大切/大切でない)を実施しました。それでも、対象者自身が作業に関してどのように認識しているのか、有能性と価値のずれについて知ることができました。もちろん4段階の評価の方が、ずれの大きさなども評価できるでしょうが、対象者の理解度に合わせて2段階でも良いのではないか、と感じました。

個人的な感想です

「2段階の評価で良い」という記述は見つからなかったので、適切な対応ではないかもしれません。でも、私が担当している方に4段階で回答できる方は…いないかも。もう少しOSA・COSAを活用してみて2段階評価の可能性も探りつつ、多くの対象者に4段階で評価できるような方法を考えていきたいです。

OSAとCOSAの違い ③評価方法の違い

COSAには

  • チェックリスト様式版
  • カード分類版

の2種類があります。

チェックリスト様式では、有能性の評価には表情のアイコン(難しい:困った顔、できる:ニコニコ顔)、価値(重要性)は星(★→★★★★)がついています。

カード分類版では、事前に準備した評価項目のカード(25項目)を有能性・価値(重要度)(それぞれ4段階)に分けることで評価をします。

どちらの方法が良いのかは、対象者に応じて決めます。

文字だけよりもアイコンがある方が伝わりやすい場合は、COSAを選択すると良いと思います

OSAとCOSAの違い ④項目の優先順位

OSAは、有能性と価値(重要性)を評価した後、優先順位をつける工程があります。また、評定を数値化して更に詳細に分析することができます。

一方COSAには、優先順位をつけたり評定を数値化する工程はありません。

その代わりにCOSAには「これは1番大切だ」という項目があるのではないか、と思います。

まとめ

OSAもCOSAも評価項目は似ているところも多いです。使い分けるとしたら

  • 4段階で回答できるならOSA
  • 文字だけよりアイコンがある方が伝わりやすければCOSA
  • 詳細な分析をする必要があればOSA

を試してみます。今後もOSA・COSAを始め、その他の評価もたくさん活用していきます。

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