【人間作業モデル】重症心身障害児(者)施設ではどの評価を使う? Part2 ー学び始めて半年経過ー

人間作業モデル 重症心身障害児(者)施設でどの評価を使う?Part2

今年の4月に人間作業モデルについて学び始めました。参考記事:【人間作業モデルの評価】重症心身障害児(者)施設ではどの評価を使う ー4種類を使った感想ー

学び始めた頃に書いたこの記事の中では

  • MOHO-ExpLOR:人間作業モデル探索レベル成果評定法
  • SCOPE:短縮版小児作業プロフィール
  • MOHOST:人間作業モデルスクリーニングツール
  • PVQ:小児版意志質問紙

が使えるのではないか、と書いています。それから約半年、研修に参加したり実際に評価を使ってみたりする中で、今使っている評価をまとめてみました。

よく使っているMOHO評価

1 PVQ(小児版意志質問紙)/ VQ(意志質問紙)

私が最も使っている評価はPVQです。

意志とは

  • 個人的原因帰属(個人的能力と有効性があると認識すること)
  • 価値(重要だとすること)
  • 興味(行うことに楽しみや満足を見出すこと)

の3つの要素が含まれています。

「あれがしたい」「これが好き」と言えない方にとって、意味ある作業をどのように設定したらよいのかは常に悩んでいます。考えてわかることではないんです。その方がどう感じているのか、どう思っているのか、推測することしかできないけど、

PVQとVQは、どちらも観察によって意志を評価する評価法です。「質問紙」なので「対象者に質問する」のかと思っていましたが、「作業療法士への質問」ということらしいです。

【人間作業モデル】VQとPVQ どう使い分ける? ー重症心身障害児(者)施設での活用ー でも書いたようにPVQとVQの評価項目はよく似ているので、

この記事を書いたときは「8歳以上はVQを使おう」と書いていましたが、ほとんどPVQを使用しています。項目が難易度順に並んでいることが使いやすさの理由だと思います。ただ、PVQで満点!問題なし!の評価結果になる方もいるので、その場合は求められる認知レベルが少し高いVQを使ってみようかな。

2 APCD(認知症高齢者の絵カード評価法)

PVQ/VQでも書いたように、対象者にとって意味ある作業を知る、というのが最も難しいことだと感じます。その評価の1つがAPCDです。70項目の絵カードを提示し、「とても重要である」「あまり重要でない」「全く重要でない」という3段階で分けてもらう評価です。

私が担当しているのは若い方から高齢の方まで幅広い年代の方がいらっしゃいます。認知症という診断がついている方はいらっしゃいませんが、認知機能が低下した方への評価であれば、知的障害がある方にも使えるのではないか、と考え試してみました。

カードには様々な作業の絵と、その作業名が書かれています。作業名を聞いただけではイメージしづらい場合でも絵や作業名が書かれていることで理解できることもあります。項目は認知症高齢者を対象として選定されているので、重症心身障害児(者)施設に入所されている方にはなじみがない作業もあります。例えば俳句・川柳や、水墨画など。詳しく説明して理解を深めてもらう場合もありますが、「水墨画」と「絵を描く」の違いは難しく、どちらも同じ評価になることもあります。ただし、正確に作業内容を理解してもらうことが必ずしも重要というわけではないと考えています。カードを提示した時に、その作業にまつわるエピソードを話していただけることもあります。そのエピソードをたくさん引き出すほうがいいのかな、と考えています。

【人間作業モデル】「認知症高齢者の絵カード評価法」は重症心身障害児(者)施設でも活用できそう でも詳しく書いています。

3 MOHOST(人間作業モデルスクリーニングツール)

MOHOSTは、対象者の作業機能状態の全体像を知るために、MOHOの概念に関する情報を収集するための評価です。全体像を知ることができるので、必要があればそこから更に詳細な評価を行うこともあります。

【人間作業モデルの評価】重症心身障害児(者)施設ではどの評価を使う ー4種類を使った感想ー でも書いたように、ある程度の認知機能・身体機能があり、日常的に余暇活動が行える方などに対して活用しています。

4 COSA(小児版・作業に関する自己評価)

COSAは、「自分が重要と考えている作業は何か?(価値)」や「どの程度作業ができると考えているか?(有能性)」について、対象者自身に評価してもらう評価法です。 

【人間作業モデル】OSAとCOSA どう使い分ける?でも書いたように、COSAには複数の評価様式があり、チェックリスト様式では、有能性の評価には表情のアイコン(難しい:困った顔、できる:ニコニコ顔)、価値(重要性)は星(★→★★★★)で評価します。

まとめ:使っている評価はこれからも変わるはず

人間作業モデルを学び始めて半年、わかってきたことはもちろん増えてきましたが、わからないこともまだまだたくさんあります。例えば「使えそう!」と思ったMOHO-ExpLORは、評価項目(というか、和訳?)の理解が難しく、十分に使えているとはいえません。うまく使えない評価についても、頭の中を棚卸するために別記事で書く予定です。

2022.5.19 追記

MOHO-ExpLORの目的に書かれている「複雑なニーズ」について、英語版マニュアルを読み比べしました。興味がある方は【人間作業モデル】「複雑なニーズ」について考える(MOHO-ExpLOR)をご覧ください。

でも、学ぶのって楽しい!

これからも学び続けて、対象者の方の意味ある作業を実行する支援を行っていこうと思います!

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