作業療法士に向いているのはどんな人?

OTに向いているのはどんな人?

りん
りん

どんな人が作業療法士に向いているのでしょうか?

実習生の時の悩み 「私は作業療法士に向いているのかな?」

私は学生時代、とあるリハビリテーションセンターで長期実習を経験しました。物覚えも悪い上に、担当の患者さんから拒否され(←いろいろな原因が重なって…)精神的にとてもツラかったです。そんなある日「私は作業療法士に向いているんだろうか?」ということをバイザーにポロっと言いました。するとバイザーは

「作業療法士が向いているかどうかはわからないけど『相手が喜んでくれてうれしい』と思えるなら、人と接する仕事は向いているんじゃないかな?」

と答えてくれました。

それを聞き「あぁ、じゃあ向いているかわからないけど、作業療法士を目指していいんだ」と安心したことを覚えています。(結構追い詰められていたので、「向いてない」と言われずにホッとしたんです)

その一方で、「じゃあ『作業療法士に向いてる』って、どんな人だろう?」という疑問が生まれました。

作業療法士が使う10種類の技能

クライエント中心の可能化のカナダモデル (Canadian Model of Client-Centered Enablement, CMCE)というものをご存じですか?

作業の可能化とは、文字通り「作業ができるようになる」ということです。CMCEは、クライエントが作業をできるようにするために作業療法士が使う10種類の技能を次のように提案しています。

適応(adapt)

「適応」とは、人と環境が適合した状態にする技能です。

環境には、物理的(physical)、文化的(cultural)、社会的(social)、制度的(institutional)があります。

参考記事>>>カナダモデルの「環境」

代弁(advocate)

「代弁」とは、クライエントに代わって、またはクライエントと一緒に主張するという技能です。

コーチ(coach)

「コーチ」とは、クライエントが自分で考え、決定し、成長する力を引き出す技能のことです。

参考記事>>コーチングとは?

協働(collaborate)

「協働」とは、クライエントと一緒に目標に向かって取り組む技能です。作業療法士は作業をするのに求められる能力や、楽に行うための工夫や道具などを知っているでしょう。また、クライエントにとって何が意味のある作業なのは、クライエントにしかわからないでしょう。そのため、クライエントにとって意味がある作業をクライエントができるようにするためには、クライエントと作業療法士の協働が必要になります。

相談(consult)

「相談」とは、クライエントからの相談に応じる技能です。

調整(coordinate)

「調整」とは、クライエントが作業をうまくできるように、関係する人や機関と連携する技能です。

デザイン・実行(design/build)

「デザイン/実行」とは、クライエントが作業を行うためにアイデアを出したり計画を立てて実行する技能のことです。市販されている物をそのまま使うのが難しい場合、クライエントの能力に応じて改良を加えることがあります。

教育(educate)

「教育」とは、クライエントにとって必要な情報や技術を教える技能です。

結び付け(engage)

「結び付け」とは、人と作業を結び付ける技能です。作業に取り組んでいる状態のことを「作業に結びついている」と言います。自分がやりたくて行っている作業は強く結びついている状態と言えます。

特殊化(specialize)

「特殊化」とは、専門的な理論や技術を使う技能です。カナダ作業遂行モデル、感覚統合理論、生体力学モデルなどがあります。

まとめ

作業療法士は、クライエントが作業をできるようにする職種で、そのために10種類の技能を組み合わせて使っています。10種類の技能は、普段意識せずにやっていることもありますが、意識して行うことでより効果を引き出せるのではないでしょうか。そして「技能」としてしっかり提示されたことで、自分がこれから何を学んだらよいのかがはっきりします。

そして、この10種類の技能を見て「面白そう!」と思えるなら作業療法士に向いているのかな、と思いました。

参考記事>>>【16年目OTが考える】作業療法士に向いている特徴3選

参考文献

吉川ひろみ:「作業」って何だろう 作業科学入門 第2版.医歯薬出版.2019.

吉川ひろみ:カナダモデルで読み解く作業療法.シービーアール.2018.

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