作業療法士養成教育モデル・コア・カリキュラム -A 作業療法士として求められる基本的な資質・能力-

コア・カリキュラムとは何か

作業療法士協会で定められている「コア・カリキュラム」というものを見つけました。

「世界の動向も踏まえ、多様なニーズに対応できる作業療法士の養成」を目指して「作業療法モデル・コア・カリキュラム」と取りまとめた。これは単なる修得すべき知識のリストではなく、修得した知識や技能組み立てられる作業療法士にいかに育成していくかに重点をおいた

日本作業療法士協会教育部 作業療法士養成教育モデル・コア・カリキュラム 2019

このコア・カリキュラムに全てが含まれているわけではないけど、各養成施設でカリキュラムを作る時に核になるものだそうです。

全体を見てみましたが、即答できないものもたくさんありました。「作業療法士の核」とされているのであれば、このコア・カリキュラムについて考えてみようと思います。調べたり、考えたりして記事にできたらリンクを貼っていきます。A~Hまでの8項目があり、更に下位項目に分かれています。

作業療法士協会で定められている「コア・カリキュラム」についての記事です。

他の項目は

B 社会と作業療法

C 基礎医学

D 臨床医学

E 作業療法の基盤となる専門知識

F 作業療法実践に必要な専門知識

G 臨床実習

H 作業療法学研究

をご覧ください!

A-1 プロフェッショナリズム

A-1-1) 作業療法士としての責務と役割

  1. 人々の健康とは、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にもウェルビーイングな(満たされた)状態であり、人々がもつ価値観や社会的背景によって様々であることを理解し、対象者1人ひとりを尊重できる
  2. 作業療法士に求められる役割を説明できる
  3. 作業療法士の法的義務を列挙し、例示できる
  4. 自分の能力の範囲を知り、可能な役割と責務を果たすことができる

A-1-2) 基本的人権の理解と擁護

  1. 基本的人権について説明できる
  2. 対象者の人権を擁護する手段・方法(インフォームド・コンセント等)について説明できる
  3. 対象者が自己決定できない場合の対応を説明できる
  4. 対象者中心の立場に立つことができる

A-1-3) 倫理原則

  1. 作業療法をとりまく倫理的課題を説明できる
  2. 作業療法に関わる倫理原則を説明できる
  3. 生命や人の尊厳を守ることができる

A-2 課題解決能力と学ぶ姿勢

A-2-1) 課題解決能力

  1. 必要な課題を自ら発見できる
  2. 自分に必要な課題を、重要性・必要性に照らして順位付けできる
  3. 課題を解決する具体的な方法を発見し、課題を解決できる
  4. 課題の解決に当たり、他者と協力してよりよい解決方法を見出すことができる
  5. 適切な自己評価ができ、改善のための具体的方策を立てることができる

A-2-2) 学ぶ姿勢

  1. 講義、国内外の教科書・論文、検索情報等の内容について、重要事項や問題点を抽出できる
  2. 得られた情報を統合し、客観的・批判的に整理して自分の考えを分かりやすく表現できる
  3. 適切な助言などを通して自ら学ぶ姿勢を獲得できる
  4. 豊かな人間性を育てるために必要な科目、プログラムを選択し、参加できる

A-3 コミュニケーション能力

  1. コミュニケーションの目的と技法について説明できる
  2. 対象者・家族等の話を傾聴し、共感することができる
  3. コミュニケーションを通じて良好な人間関係を築くことができる

A-4 多職種連携

  1. 多職種連携の意義を説明できる
  2. 他の職種の役割を説明できる
  3. 保健・医療・福祉における多職種連携のあり方を具体的に説明できる
  4. 様々な人々との協働を通して、保健・医療・福祉の諸課題に対処できる

A-5 作業療法の質と安全性の管理

A-5-1) 作業療法の質の保証

  1. 良質な作業療法の提供に向けて、作業療法の質を管理し、保証していくことの必要性を理解できる
  2. 作業療法の質を管理し保証していくための具体的な方法を説明できる
  3. 作業療法の質を管理し保証していくための活動に参画できる

A-5-2) 安全性の管理

  1. 作業療法における安全性の確保の必要性を説明できる
  2. 作業療法における安全性の確保のための対応策を実施できる
  3. 作業療法における安全性を向上させるための活動に参画できる
  4. 自信の体調管理を行うと共に、知識及び技能を見極め、能力の範囲に応じて他者の支援を仰ぐことの重要性を理解できる

A-6 社会から求められる役割の認識と実践

A-6-1) 社会における作業療法士の役割

  1. 作業療法士が活躍する多様な場とそこでの役割を理解できる
  2. 地域社会の変化、保健・医療・福祉の動向を踏まえ、今後の作業療法士に求められる役割や責任について考察できる

A-6-2) 国際社会への貢献

  1. 国際社会における作業療法の課題を理解し、説明できる
  2. 多様な文化的背景をもつ対象者の生活支援に必要な能力を理解できる
  3. 国際社会への貢献の意義を理解している
  4. 英語をはじめとした異なる言語に対応することができる

A-7 生涯にわたって共に学ぶ姿勢

  1. 生涯にわたる自己研鑽の必要性を説明できる
  2. 生涯にわたる継続的学習に必要な情報を収集できる
  3. 実践可能な自己研鑽の方法を検討し、実践できる
  4. キャリアパスの構築やキャリア開発の方法について学ぶ
  5. 周囲の人々と切磋琢磨しながら、作業療法の質の向上に寄与できる

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