作業療法士養成教育モデル・コア・カリキュラム -F 作業療法実践に必要な専門知識-

私は養成校を卒業してすぐ重症心身障害児(者)施設に就職し、そのまま16年がたちました。分野で言うと「発達障害分野」にはなりますが、大腿骨頸部骨折されるかたがいたり、診断がつかないものの認知症のような言動が見られる方、様々な疾患・原因で亡くなる方もいらっしゃいます。広い知識・技術が必要になるものの、学ぶ機会も少なくなってしまいました。改めて学びなおそうと思います。

作業療法士協会で定められている「コア・カリキュラム」についての記事です。

他の項目は

A 作業療法士として求められる基本的な資質・能力

B 社会と作業療法

C 基礎医学

D 臨床医学

E 作業療法の基盤となる専門知識

G 臨床実習

H 作業療法学研究

をご覧ください!

F-1 作業療法評価学

F-1-1)基礎作業評価学

  1. 評価の意義と目的について説明できる
  2. 日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動について、作業遂行評価(AMPS、EPIなど)による技能分析を説明・実施できる
  3. 人々ができるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されていることなど、個別的な目的や価値における、作業ニード(半構成的面接、作業遂行測定COPMなど)の評価について説明・実施できる
  4. バイタルサイン測定について説明・実施できる
  5. 意識レベルについて説明できる
  6. 面接・観察について説明・実施できる
  7. 機能形態計測(四肢長、周径など)について説明・実施できる
  8. 関節可動域測定について説明・実施できる
  9. 筋力検査(握力・ピンチ力・徒手筋力検査)について説明・実施できる
  10. 反射及び筋緊張検査について説明・実施できる
  11. 感覚・知覚検査について説明・実施できる
  12. 協調性検査について説明・実施でいる
  13. バランス検査について説明・実施できる
  14. 上肢機能検査について説明・実施できる

これらの項目は、教科書などで詳しく書かれていると思うので、そちらをご参照ください。

F-1-2)運動器障害作業療法評価学

  1. 画像評価を含む作業療法評価について説明できる
  2. 疾患特異的な評価の主たるものを模擬実践できる

F-1-3)神経障害作業療法評価学

  1. 画像評価を含む作業療法評価について説明できる
  2. 疾患特異的な評価の主たるものを模擬実践できる

F-1-4)内部障害作業療法評価学

  1. 画像評価を含む作業療法評価について説明できる
  2. 疾患特異的な評価の主たるものを模擬実践できる

F-1-5)精神障害作業療法評価学

  1. 画像評価を含む作業療法評価について説明できる
  2. 疾患特異的な評価の主たるものを模擬実践できる

F-2 作業療法治療学

F-2-1)身体障害作業療法

  1. 疾患ごとの生活障害の特性について説明できる
  2. 疾患ごとの予後について説明できる
  3. 治療原理について説明できる
  4. 疾患ごとの作業療法について説明・模擬実践できる

F-2-2)内部障害作業療法

  1. 疾患ごとの生活障害の特性について説明できる
  2. 疾患ごとの予後について説明できる
  3. 疾患ごとの作業療法について説明・模擬実践できる

F-2-3)終末期作業療法

  1. 死の概念と定義や生物学的な個体の死を説明できる
  2. 死に至る身体と心の過程を説明できる その個別性にも共感配慮できる
  3. 人生の最終段階における医療(エンド・オブ・ライフ・ケア)での患者とのコミュニケーション、頻度の高い苦痛とその対処法・ケアを説明できる
  4. 人生の最終段階における医療(エンド・オブ・ライフ・ケア)での本人の意思決定、事前指示、延命治療、Do not attempt resuscitation <DNAR>、尊厳死と安楽死、治療の中止と差し控えの概念を説明できる
  5. 患者の死後の家族ケア(悲嘆のケア(グリーフケア))を説明できる
  6. 終末期作業療法について説明できる

F-2-4)高次脳機能障害作業療法

  1. 障害特性について説明できる
  2. 障害ごとの予後について説明できる
  3. 障害ごとの作業療法について説明・模擬実践できる

F-2-5)精神障害作業療法

  1. 疾患ごとの生活障害の特性について説明できる
  2. 疾患ごとの予後について説明できる
  3. 疾患ごとの作業療法について説明・模擬実践できる

F-2-6)発達障害作業療法

  1. 疾患ごとの生活障害の特性について説明できる
  2. 疾患ごとの予後について説明できる
  3. 疾患ごとの作業療法について説明・模擬実践できる

F-2-7)高齢期障害作業療法

  1. 障害特性について説明できる
  2. 障害ごとの作業療法について説明・模擬実践できる

F-2-8)日常生活活動に関わる作業療法

  1. 日常生活活動・手段的日常生活動作の概念について説明できる
  2. 日常生活活動・手段的日常生活動作の評価について説明できる
  3. 日常生活活動(手段的日常生活動作を含む)における作業別の支援について説明・模擬実践できる

F-2-9)義肢装具に関わる作業療法

  1. 義肢装具に関わる作業療法士の役割について説明できる
  2. 上肢切断について説明できる
  3. 義手の基本構造について説明できる
  4. 上肢切断者の評価と義手の適合判定について説明できる
  5. 装飾用義手、作業用義手、能動義手(体内力源)、動力義手(対外力源)について説明できる
  6. 可視切断・義足について説明できる
  7. 上肢装具について説明できる
  8. スプリントについて説明・作成できる
  9. 可視装具について説明できる
  10. 頸椎体幹装具について説明できる
  11. 疾患ごとの装具について説明できる

F-3 地域作業療法学

F-3-1)地域における作業療法

  1. 地域の人々の生活、文化、環境、社会経済構造など、地域の特性を捉える地域評価の方法について説明できる
  2. 地域リハビリテーションの概念について説明できる
  3. 地域リハビリテーションにおける、医学モデルと生活モデルの視点について説明できる
  4. 地域作業療法を支える社会資源とその活用方法について説明できる
  5. 地域作業療法における他職種連携・ネットワークについて説明できる
  6. 地域包括ケアシステムや総合事業と作業療法との関係を述べることができる
  7. 実践の場に応じた作業療法について説明・模擬実践ができる

F-3-2)就労支援領域における作業療法

  1. 職業の定義とキャリア発達について説明できる
  2. 職業支援に関する理論について説明できる
  3. 障害者の就労制度について説明できる
  4. 就労支援における作業療法の役割について説明できる
  5. 作業療法評価について説明・実践できる
  6. 障害ごとの作業療法について説明・模擬実践できる

F-3-3)住環境整備・支援機器と作業療法

  1. 地域における住環境整備の意義と作業療法の視点について説明できる
  2. 建築の基礎について説明できる
  3. 住宅改修の基礎技術について説明できる
  4. 福祉用具供給システムについて説明できる
  5. 福祉用具のアセスメントについて説明できる
  6. 福祉用具の安全性について説明できる
  7. 主たる福祉用具について体験し、適用や選定ができる
  8. 簡単な自助具を作成できる
  9. 福祉用具種別に応じた支援の実際について説明できる

F-3-4)予防作業療法

  1. 予防作業療法の目的と意義について説明できる
  2. 予防に関連した評価について説明できる
  3. 予防作業療法のプログラムについて説明できる
  4. 自助・共助を促進する方法について説明できる
  5. 健康づくり(ヘルスプロモーション)における作業療法について説明できる

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