作業療法の「作業」って何のこと?
という疑問にお答えします!
「作業」とは、やることなすこと全部
「『作業』とは、やることなすこと全部です」と言われても「?」と思いますよね。
例えば、今日朝起きて何をしましたか?
「目覚まし時計を止めて、布団から出て、顔を洗って、ごはんを食べて、歯を磨いて…」
はい、それが全部「作業」です。
作業には、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、それを行うのに必要な心身の活動が含まれる。
日本作業療法士協会HP より
日常生活活動とは、食事や洗顔、着替えやトイレなど、いつも習慣的に繰り返すようなことです。
そして
作業には、人々ができるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されていることなど、個別的な目的や価値が含まれる。
日本作業療法士協会HP より
つまり
- できるようになりたいこと
- できる必要があること
- できることが期待されていること
が含まれているのです。作業療法では、このような「その人にとって意味がある」作業に対してアプローチをします。
作業の分類 「いきる・くらす」「はたらく」「あそぶ・たのしむ」
具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
分類の仕方はいくつかありますが、「いきる・くらす」「はたらく」「あそぶ・たのしむ」の3つに分けて説明します。
いきる・くらす(セルフケア)
普段の生活の中で行う、生きるために必要な基本的な作業のことです。健康な時は特に意識せず義務的に行うことも多いかもしれません。
・食事
・入浴
・身だしなみを整える
・排泄
・買い物
・食事の準備
・金銭管理
など
はたらく(生産活動)
自分のため、自分以外の人のため、社会のために行う作業です。
・仕事
・家事
・地域の役員
・ボランティア活動
など
あそぶ・たのしむ(レジャー)
楽しい感情を引き起こす作業です。遊びとは、自分がしたくてするもので、自由に始めて自由に終わることができます。
・遊び
・趣味
など
分け方は誰にとっても共通…というわけではない
同じ作業でも、それを行う人によって意味は変わってきます。例えば「料理」はある人にとっては仕事だし、別の人にとっては趣味かもしれません。毎朝のお化粧を義務的に行う人もいるだろうし、楽しんで行う人もいるかもしれません。「どちらが優れている」というわけではなく、ただ人によって作業の価値観が違う、というだけです。
作業バランス
1日は24時間です。1日にできる作業には限りがあります。
生産的・楽しみ・休息を8時間ずつ行うのが理想的…というわけではなく、人によってちょうどよい割合があると思います。
やらなければならない(義務)作業なのか、したい(願望)作業なのかという質的な要因もあります。
健康に暮らしている人の平均は、義務・願望作業が約60%、残りの40%は義務作業と願望作業が半分ずつで、義務も願望もない作業(無意味作業)がほとんど無いと言われています。
まとめ やることなすこと全部が「作業」
作業にはどのようなものが含まれるのかをまとめました。
生活の中で行うこと全てが「作業」です。
そして、できるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されていることも含まれます。
自分が普段行っている作業を振り返って、「自分にとって意味ある作業」を振り返ってみてはいかがでしょうか?
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