作業療法士養成教育モデル・コア・カリキュラム -G 臨床実習-

CCSでの実習指導を始め、実習生の到達度を評価するためにチェックリストがあるといいなと思っています。もちろん実習生がそれぞれの養成校から独自のチェックリストを持ってきてくれますが、十分使いこなせません。「発達分野」はお子さんを対象に作業療法を実施する、という前提であることが多く、私や他のOTが実施していない項目も多いのです。この「G 臨床実習」では分野で区切らず「臨床実習で学ぶべきこと」が書かれているので、ここから実際の臨床に合わせて考えていくと良いのではないかと思います。

G-1 基本的態度

G-1-1)常識的態度

  1. 状況に相応しい服装や身なりを整えることができる
  2. 状況に相応しい挨拶や自己紹介ができる
  3. 職員に対する礼節のある言葉遣いや態度をとることができる
  4. 対象者に対する礼節のある言葉遣いや態度をとることができる
  5. 自発的に掃除、整理整頓することができる
  6. 自発性、準備性、信頼性、職場の管理運営を順守した共に働く姿勢・態度を示すことができる

ここは、書いてある通りです。幸い今まで担当した実習生はこれらの項目について問題なく、指導をしたことはありません。

G-1-2)責任ある行動

  1. 時間及び期限を厳守することができる
  2. 指導者からの指示を順守することができる
  3. 守秘義務、個人情報の取り扱いを厳守することができる
  4. 指導者へ報告・連絡・相談をすることができる
  5. 経験を最大限の学びにするために、指導者等と協同することができる

G-1-3)自己管理

  1. 限られた時間のなかで、優先事項を判断し自らの目標を達成することができる
  2. 自身の生活リズムを管理することができる
  3. 自身を内省し、自己の行動目標を設定・修正することができる

G-1-4)意欲

  1. 自身の目標を達成するため、具体的に取り組むことができる
  2. 必要に応じて文献や資料を収集し、理解することができる
  3. 必要に応じて質問し、自分の意見を述べることができる
  4. 助言に対して、建設的な対応が出来る

G-2 評価における臨床技能/臨床思考過程

G-2-1)評価計画

  1. 対象者の疾患に関する一般的特徴(症状・障害)について説明することができる
  2. 対象者の作業プロフィールとパフォーマンスを明らかにする評価手段(情報収集・面接・観察・検査測定)を選択できる
  3. 選択した評価手段の目的を説明できる
  4. 選択した評価手段の方法を説明できる

G-2-2)評価実施

  1. 対象者・家族・対象者にとって重要な人物に評価計画について説明し、同意を得ることができる
  2. 対象者・家族・対象者にとって重要な人物から生活状況を聴取できる
  3. 対象者・家族・対象者にとって重要な人物のニーズを聴取することができる
  4. 作業療法の記録から対象者に関する情報(心身機能・活動・参加・環境因子・個人因子)を収集できる
  5. 他職種から対象者に関する情報(心身機能・活動・参加・環境因子・個人因子)を収集できる
  6. 選択した評価手段を適切に実施することができる
  7. 対象者のニーズと生活行為、または対象者の属する文化に即して評価を修正し適応することができる
  8. 対象者の心身の活動状態に留意し、安全に遂行することができる

G-2-3)全体像

  1. 評価結果をICF(心身機能・活動・参加・環境因子・個人因子)に分類できる
  2. 評価結果の肯定的側面・否定的側面について説明できる
  3. 評価結果の相互(因果)関係をICFを用いて説明できる
  4. 対象者の予後(将来像)について説明することができる

G-2-4)目標

  1. 対象者のモチベーションと問題となる作業を踏まえたうえで、対象者中心の目標を設定できる
  2. リハビリテーション(チーム)目標を説明できる
  3. 作業療法の長期目標を説明できる
  4. 作業療法の短期目標を説明できる
  5. 各目標の関連性を説明できる

G-2-5)介入プログラム

  1. 対象者のモチベーションと課題を踏まえた作業を選択できる
  2. 目標に基づいた、対象者にとって効果的な作業を、関連する作業のすべての選択肢の中から選択できる
  3. 課題を解決するため、作業とその環境が、対象者のパフォーマンスが最大限となるよう考えられる
  4. すでに発表されている研究や関連資料を参照し、根拠に基づいて立案できる
  5. 介入プログラムの目的を説明できる
  6. 介入プログラムの方法を説明できる

G-3 介入における臨床技能/臨床思考過程

G-3-1)介入環境

  1. 介入手段に対応した場所の設定ができる
  2. 介入手段に対応した器具を準備することができる
  3. 対象者の状態に即した介入時間の設定ができる

G-3-2)介入

  1. 対象者・家族に介入計画について説明し、同意を得ることができる
  2. 選択した介入手段を適切に使用することができる
  3. 対象者の状態に対応し、介入プログラムを変更することができる
  4. 介入が提供された際の、対象者の反応を記録することができる
  5. 作業療法の展開について、リーゾニングを含む事例報告を作成できる

G-4 管理運営

G-4-1)物品管理

  1. 治療器具・道具の取り扱い方、使用用途を説明できる
  2. 治療器具・道具の整理・整頓ができる

G-4-2)リスク管理

  1. アクシデント・インシデントの原因、予防対策について説明できる
  2. 施設内感染防止の必要性・方法について説明できる

G-4-3)記録

  1. 個人情報の保護に留意した記録ができる
  2. 記録の保管・廃棄ができる
  3. (施設の求めに沿った)他職種等への報告書を作成できる

G-4-4)連携

  1. 他部門(他職種)との連携の必要性について説明できる
  2. リハビリテーションチームにおける作業療法の役割について説明できる

G-4-5)施設理解

  1. 地域における当該施設の役割について説明できる
  2. 当該施設の各部門について説明できる

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