【MOHO-ExpLOR】「妥当化」の評定内容を考える

「妥当化」の評定内容を考える

重症心身障害児(者)施設の作業療法評価としてMOHO-ExpLOR(人間作業モデル探索レベル成果評定法)が使えそう!と思うけど日本語マニュアルが難しい…。そこで英語マニュアルと読み比べながら理解を深めています。

英語は苦手なんですが、MOHO-ExpLORを理解できるようにがんばります!

英語版マニュアルと比較して「複雑なニーズ」「所属する」について考えた記事もご覧ください

「妥当化」とは

「妥当化」とは作業への動機づけの環境評定中の1つで、「尊重や重要性を伝える」とされています。英語ではValidationと表現されています。

「妥当」とは「実情によくあてはまっていること、適切であること、また、そのさま」という意味があります(goo辞書より)。では、「妥当化」は適切であるかを評価するということでしょうか?

じゃあ、「妥当化」は適切であるかを評価する、ということ…?

ちょっとわかりにくい…。

Validationとは「検証、証明」という意味の他に「理解し難い他人の気持ち・感情などを)くみ取ること、受け入れること」という意味があります(英辞郎 on the webより)。こちらの方が、本来の評定内容の意味に近いように感じます。

他の書籍・マニュアルに出る「妥当にする」

「妥当にする(Validating)」という表現は、人間作業モデルの他のマニュアル・書籍にも出てきます。

妥当にすることとは、クライアントの経験や見方に関する作業療法士の個人的な偏見や反応にもかかわらず、クライアントの経験や見方に敬意を伝えることである。

キールホフナーの人間作業モデル 改訂第5版 p246

妥当にすることの段階の主な目的は以下の通りです。

・個人的意味というクライアントの感覚を促進すること

・クライアントの能力の基本的感覚を促進すること

・環境内での安心感を促進すること

再動機づけ過程 pp34-35

これらのことから、MOHO-ExpLORの妥当化では「クライエント自身の感情や経験等を尊重できているか」また「それらに対する敬意を伝え安心できるように配慮できているか」などを評価する項目だと納得できました。

参考資料

John R Cooper.山田孝(監訳): 人間作業モデル探索レベル成果評定法 使用者手引き(MOHO-ExpLOR) 

John R Cooper.:A User’s Manual for the Model of Human Occupation Exploratory Level Outcome Ratings (MOHO-ExpLOR)  

Renee R. Taylor.キールホフナーの人間作業モデル ー理論と応用ー【改訂第5版】

Carmen Gloria de las .山田孝(監訳):再動機づけ過程:意志に重大な問題を持つ人に対する段階的介入の使用者手引き

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