【MOHO-ExpLOR】「調節」「調整」の違いを考える

重症心身障害児(者)施設の作業療法評価としてMOHO-ExpLOR(人間作業モデル探索レベル成果評定法)が使えそう!と思うけど日本語マニュアルが難しい…。そこで英語マニュアルと読み比べながら理解を深めています。

英語は苦手なんですが、MOHO-ExpLORを理解できるようにがんばります!

英語版マニュアルと比較して「複雑なニーズ」「所属する」「妥当化」について考えた記事もご覧ください

「調節」と「調整」

調節」とは作業への動機づけの環境評定項目の1つで、「活動に参加し続けるための精神的なサポート」とされています。英語ではRegulationと表現されています。

調整」とは処理技能の環境評定項目の1つで、「対象者の感覚ニーズに合わせる」とされています。英語ではModulationと表現されています。

あれ?

調節」と「調整」って、何が違うの?

RegulationModulationも、日本語訳に調節も調整も出てくるし…

1度悩んでしまってから、この2つの項目に出会う度にモヤモヤしているので、違いについて考えてみます。

調節 Regulation

Regulationについて辞書を調べてみると、規制、規則、規定、条例、法規、取り締まり…という単語が出てきます。

ん? ここから「精神的なサポート」にたどりつけるのかな?

では、ここで「regular」を辞書で引くと、規則正しい、規則的な、系統だった、定期の…という訳が出てきました。まあそうでしょうね。

調節 Reguletion の評価をする上での基準を読んでみると

・空間は、活動の間に、その人が安心を感じるよう毎日のように支援する(例えば、プライバシー、境界、他人との近さ)

・介護者は、課題の間に、その人が困難さを克服することができるように、首尾一貫した肯定的支援を提供する

(一部抜粋)

と書かれています。

つまり

規則正しい、首尾一貫した、繰り返しの支援を行うことで、対象者が安心して活動に参加することができる=活動に参加し続けるための精神的サポート

ということなんですね!

調整 Modulation

Modulationについて辞書を調べてみると、変調、転調、調音…という単語が出てきます。

先ほどと同じようにmodulateについて辞書を引くと、調節する、振幅・周波数などを変調する…という訳でした。

ここから、対象者の感覚ニーズに合わせて刺激を調整する、という意味で使われているんでしょうね

調節」と「調整」の違いは、評価基準と合わせて考えると納得できました。

参考資料

John R Cooper.山田孝(監訳): 人間作業モデル探索レベル成果評定法 使用者手引き(MOHO-ExpLOR) 

John R Cooper.:A User’s Manual for the Model of Human Occupation Exploratory Level Outcome Ratings (MOHO-ExpLOR)  

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