「CCSって、具体的にどう指導したらいいの?」という疑問にお答えします。
臨床実習はスキル教育
臨床実習における到達目標は
臨床実習指導者の指導・監督のもとで、典型的な障害特性を呈する 対象者に対して、作業療法士としての
- 倫理観や基本的態度を身につける
- 許容される臨床技能を実践できる、
- 臨床実習指導者の作業療法の臨床思考過程を説明し作業療法の計画立案 ができる
と定められています。つまり
- 倫理観や基本的態度→社会的スキル
- 臨床技能→運動スキル
- 臨床思考過程の説明や計画立案→認知スキル
と表現することもできます。これに臨床経験が加わり、実用スキルとなります。
スキル指導は「やってみせ」
山本五十六の名言「やってみせ」を聞いたことがある方は多いでしょう。人材育成や実習指導に関する本やサイトにもよく引用されています。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」
スキル指導も同じです。
- やってみせ…手本を示す
- 言って聞かせて…行動の理由や臨床思考過程を説明する
- させてみせ…繰り返してまねする
- ほめる…建設的なフィードバックをする
これを繰り返すこと学生はスキルを身につけることができます。
スキルとサブスキル
では、具体的にはどのように指導すればよいのでしょうか? 「ROMテストをする」というスキルを例に挙げて考えてみましょう。 CCSの原則である「見学ー模倣ー実施」の段階で、それぞれどのように指導すればよいのでしょうか?
まずは「ROMテストを行う上で必要な行動・思考」を挙げてみましょう。ROMテストを行う時、対象者に実施内容の説明を行うでしょう。今から動かす関節の動きを考え、セラピストの立ち位置や向きを決めます。実施中には対象者の表情を確認しながら筋の触診をして、固定の位置や強さを判断して…。思った以上に工程が多いですよね。この1つひとつの工程のことを「サブスキル」と言います。
サブスキルごとに「見学ー模倣ー実施」の段階を踏んで指導をすることで、学生の失敗体験が減り効率よくスキル習得ができます。また、サブスキルにわけることで具体的な指導方法を考えやすくなります。
CCS 3つの原則
CCSによる指導には3つの原則があります。それは「意図的・計画的・継続的」であることです。
意図的
「育てる意思」を持って臨みましょう。学生の強み・弱みを把握して、サブスキルを意識して指導しましょう。「学生の自主性に任せる」という言い訳で放置してはいけません。
計画的
どの時期に、どういう業務を通じて、どの部分を伸ばすのかということを計画的に考え、指導をします。
継続的
指導は1度で終わりではなく、継続的に行います。計画通りの取り組みができているのか、定期的に見直しをします。
まとめ 実習指導も「スキル」
実習指導も「スキル」です。学んだことを繰り返し実施して振り返ることで、上達していきます。学生の特性を把握し、自分の指導についても振り返りながら、実習指導を行っていきましょう!
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