作業療法士養成教育モデル・コア・カリキュラム -B 社会と作業療法-

作業療法士協会で定められている「コア・カリキュラム」というものを見つけました。

「作業療法士の核」とされているのであれば、自分で考えて・調べて・まとめてみようと思いました。

作業療法士協会で定められている「コア・カリキュラム」についての記事です。

他の項目は

A 作業療法士として求められる基本的な資質・能力

C 基礎医学

D 臨床医学

E 作業療法の基盤となる専門知識

F 作業療法実践に必要な専門知識

G 臨床実習

H 作業療法学研究

をご覧ください!

B-1 社会と健康

B-1-1) 健康の概念

  1. 健康の定義について説明できる
  2. 健康に関連する概念(生活の質(quality of life<QOL>)、国際疾病分類(International Classification of Disease<ICD>)、国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health<ICF>)、ノーマライゼーション、サクセスフルエイジング、バリアフリー、ユニバーサルデザイン、健康寿命)の定義について説明できる
  3. 人の健康行動を理解するために基礎となる理論について説明できる
  4. 健康の社会的決定要因について説明できる

B-1-2) 環境と健康

  1. 環境(物的環境・人的環境)について説明できる
  2. 物的環境(大気・水・土壌など)の現状や課題と健康への関連について説明できる
  3. 人的環境(専門職・非専門職、家族友人等)と生活や健康との関連について理解できる

B-1-3) 生活・ライフスタイルと健康の関連

  1. ライフスタイルの背景にある文化を理解し、多様なライフスタイルを理解できる
  2. 栄養・食生活、身体活動・運動、休養と健康の関連について説明できる
  3. ストレスの原因と健康への関連について説明できる
  4. 嗜癖行動(喫煙、飲酒、ギャンブル等)の健康への関連について説明できる
  5. 生活習慣や労働に関連付けた疾病の概念や、政策(生活習慣病の定義、プライマリケア・ヘルスプロモーション、国民健康づくり運動、健康寿命の延伸、健康増進法)について説明できる
  6. 個人のライフスタイルについて健康の側面からアセスメントする重要性について理解できる
  7. ソーシャルキャピタルの概念と人々の暮らしや健康との関連について説明できる
  8. 人の行動変容に必要な基礎理論(心理学、行動科学)について理解できる
  9. 生活・ライフスタイルと健康の関連には遺伝的多様性が関連していることを理解できる

B-1-4) 社会の動向と保健・医療・福祉制度

  1. 社会の動向や特性(少子高齢社会、多死社会)を説明できる
  2. 日本における社会保障制度の変遷と特徴について説明できる
  3. 社会保障制度の種類(社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生、医療等)について説明できる
  4. 社会保険(医療保険、年金保険、労災保険、雇用保険、介護保険)について説明できる
  5. 公衆衛生及び医療(感染症法、労働基準法、学校保健法、医療法、健康保険法等)について説明できる
  6. 保健と医療と福祉の動向と対策(生活習慣病、母子保健、学校保健、高齢者の保健・医療・福祉制度、認知症、障害児・者施策、精神保健、歯科保健、感染症、がん、難病、職域での保健)について説明できる

B-1-5) 疫学・保健医療統計

  1. 人口統計(人口静態、人口動態)を説明できる
  2. 日本人の健康に関する指標や受療状況について説明できる
  3. 健康障害とリスクについて説明できる
  4. データの記述と要約(記述統計を含む)ができる
  5. 主要な確率分布を説明できる
  6. 正規分布の母平均の信頼区間を計算できる
  7. 基本的な仮説検定の構造を説明できる

B-1-6) 統計手法の適用

  1. 2群間の差について適切な検定手法を選択し実施できる(群間の対応あり、なしを含む)
  2. パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の違いを説明できる
  3. カイ2乗検定法を実施できる
  4. 一元配置分散分析を利用できる
  5. 2変量の散布図を描き、回帰と相関の違いを説明できる

B-1-7) 根拠に基づいた作業療法

  1. 根拠に基づいた医療<EBM>の5つのステップを列挙できる
  2. Patient, population, problem intervention(exposure), comparison, outcome<PICO (PECO)>を用いた問題の定式化ができる
  3. 研究デザイン(観察研究、記述研究、横断研究、症例対象研究、コホート研究)、介入研究(臨床研究、ランダム化比較試験)、システマティックレビュー、メタ分析(メタアナリシス)を概説できる
  4. データベースや二次文献からのエビデンス、診療ガイドラインを検索することができる
  5. 得られた情報の批判的吟味ができる
  6. 診療ガイドラインの種類と使用上の注意を列挙できる
  7. 診療ガイドラインの推奨の強さについて説明できる

B-1-8) 自然災害と健康

  1. 自然災害時に生じる健康課題について説明できる
  2. 自然災害時の避難所における健康課題について説明できる
  3. 復興支援期における健康課題について説明できる
  4. 復興支援期における生活課題について説明できる

B-2 予防と健康管理

B-2-1) 予防の概念

  1. 第一次予防について説明できる
  2. 第二次予防について説明できる
  3. 第三次予防について説明できる

B-2-2) ライフスタイルと行動変容

  1. ライフスタイルアセスメントについて説明できる
  2. 行動特性としてのコンプライアンスについて説明できる
  3. 行動特性としてのアドヒアランスについて説明できる
  4. 行動変容の段階について説明できる

B-2-3) 指導方法

  1. 個別指導のポイントについて説明できる
  2. 集団指導のポイントについて説明できる

B-3 作業療法における倫理

B-3-1) 倫理規範と実践

  1. 生命倫理、医療倫理、臨床倫理等の関連領域の理論の動向が理解できる
  2. 医療・作業療法における倫理に関する規範・原則や指針(倫理の原則、倫理指針、日本作業療法士協会の倫理綱領と職業倫理指針、ヘルシンキ宣言、ベルモントレポート、ニュルンベルク綱領)について説明できる
  3. 医療の進歩に伴う倫理的課題の動向について説明できる
  4. 医療や作業療法の現場における倫理的課題と解決方法について説明できる

B-3-2) 保健医療における個人情報

  1. 保健医療における個人情報の取り扱いとセキュリティーについて説明できる
  2. 個人情報保護や守秘義務に関する法規について説明できる
  3. 多職種間での情報共有時の配慮について説明できる
  4. 情報の開示に関する法的根拠と注意点を説明できる

B-4 国際化と健康との関連

  1. 国際化の動向と保健・医療における課題について説明できる
  2. 国際的視野で作業療法の対象(在留外国人、在外日本人等)への配慮について説明できる
  3. 日本の医療の特徴を理解し、国際社会への貢献について考えることができる

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